水野修一、世界的な貿易摩擦の初期局面で輸出関連株を削減 内需型ブルーチップへシフトし、ポートフォリオのドローダウンを-2.3%に抑制

2018年前半、世界の資本市場の焦点は急速に米中間で激化する貿易摩擦に移りました。関税政策の不透明感や主要経済圏同士の駆け引きによって、外需依存度の高い企業はかつてないプレッシャーに直面。特に自動車、精密機械、半導体といった日本の輸出基幹産業では、投資家心理が慎重姿勢から様子見へと転じ、株価変動が一段と強まりました。

こうした状況を受け、水野修一氏はいち早くリスク構造の変化を見抜きました。彼は、この貿易摩擦は一時的なノイズにとどまらず、中長期的な政策対立に発展する可能性が高く、輸出企業の利益予想は継続的に下方修正を余儀なくされると判断。そこで2018年4月から段階的に輸出関連株の保有比率を引き下げ、ポートフォリオのリスクエクスポージャーを従来の約50%から25%未満に抑制しました。

一方で、水野氏は同時に内需型ブルーチップ株の比率を積極的に拡大。食品、医薬品、公益事業、国内インフラ関連といったセクターをポートフォリオの中核に据えました。これらの企業は世界貿易の不透明感からの影響を受けにくく、その収益は主に日本国内の安定した消費と投資需要に依存しています。彼は「内需株の選定は単なる防御策ではなく、安定的なキャッシュフローと配当能力によってポートフォリオ全体の耐性を強化する戦略である」と強調しました。

戦略転換の結果、6月から7月にかけて日経平均株価が一時5%超下落した局面でも、水野氏が運用するポートフォリオの最大ドローダウンはわずか-2.3%にとどまりました。この市場を大きく下回る低ボラティリティは、リスクコントロールの有効性を裏付けるとともに、不確実性下での再投資余地を確保する成果となりました。

当時の運用を振り返り、水野氏は「資本市場の難題は多くの場合、突発的な外部要因からもたらされる。重要なのは冷静さを保ち、トレンドの転換点を見極め、いち早く行動することだ」と述べています。2018年前半の米中貿易摩擦は、投資家のマクロ視点とセクター分析力を同時に試す格好の局面でした。高リスク資産の比率を適時に削減し、比較的安全性の高い内需株へとシフトしたことで、彼は混乱相場の中でも資本保全と安定収益を両立させることに成功したのです。

この戦略により、2018年後半にさらなる不透明要因が生じた際にも、彼は高いキャッシュポジションと投資余力を確保。市場心理が過度に悲観に傾いた場面では逆張り投資を行う柔軟性を維持できました。水野氏は「防御と攻勢を適切に組み合わせる投資哲学こそ、長期的な安定成長の礎である」と改めて強調しています。